#004 異世界転生のテンプレート

「世界には因果というものがある」



僕が事故で死んで、白い光の中の空間で目を覚まして、少し経ってから、神様は言った。


「それは、時に運命と呼ばれ、カルマと呼ばれ……」


「テンプレとも呼ばれるんじゃ」



この時、幼女神はドヤ顔だったそうだが、僕は自分が死んだ瞬間の恐怖に悶え、混乱と狂乱に陥っていたので、知る由もなかった。


幼女神はそんな僕を見て言った。



「だいじょぶ、だいじょぶ。お主の死には、異世界転生のテンプレ使うから」



僕は立ち直り、目を輝かせた。




曰く、


「お主の前世の世界は不幸のテンプレが集約された世界じゃった。魔法もないし、かなり努力しないと報われない」

「これから行く世界は典型的なテンプレ異世界で、前世と比べれば、とても生きやすい」

「ただし、魔物と魔王が居る」

「魔王を抑えることができれば、お主の来世の人生は順風満帆じゃろう」


一も二もない話だった。


大好きなネット小説で読んだ憧れの異世界転生。


どちらにしても、転生しなければこのまま死ぬだけだ。


行きましょう!異世界!




「そんでチートじゃがな、三百ポイントやるから」


「ポイントですか?」


曰く、


「次の世界では、レベルアップと称号取得の度にポイントが手に入る」

「そのポイントを振り分けて、自身を強化していくように」

「使徒の加護があれば、ポイントの振り直しが出来る」

「メニューはポイント振り直しと違ってお主しか使えんから、ばれないように」

「たまーにメッセ送るから。メニューから見るんじゃぞ」


チートはそれだけだと言う。



正直、実際にあっちに行ってみないと利便性がわからない。


幼女神は、「これと、これと、これと、これは最初からとっといたほうがいいの」と言って僕の能力を操作したようだった。


ポイントの残りは五十まで減った。


振替自由だって言うし、とりあえずこのまま行こう。


「向こうでは15で成人になるからの、14くらいにお主の年齢設定しとくから」


そう言い残して、光の世界は消失した。



「あの!武器って……」



僕の声は届かなかった。



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※※※(14)(Lv1)/※※※


【ポイント残/総】

50/300


【ステータス】

HP:100

膂力:10

頑強:10

敏捷:10

精密:10

魔力:10


【称号】

《使徒(300)》主神の加護を得た者。神殿の庇護を受けやすくなる。


【能力】

・メニュー(0)メニューを開くことができる(術者にしか見えない)

・ポイント再配分(0)ポイント振分をやり直すことができる

・欺瞞(50)ステータスを改ざんして正しく見えないようにする

・契約魔術(100)約束や隷属の儀式に付与することで契約内容が保証される(ギルドと神殿の認可と国発行の免許が必要)

・攻撃知覚(50)攻撃情報を視認できるようになる

・動作最適化(50)所作を最適化し、目的に則した動きができるように補助する


【装備】

武器:なし

防具:布の服


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