【の】ノウゼンカズラ

 凌霄花と書く『ノウゼンカズラ』ですが、鮮やかなオレンジの可愛らしい花弁が目をひく中国原産の花です。日本には平安時代に入ってきました。


 俳句でも「凌霄花に 秋の通ふか 風見ゆる」(恒丸)、「家毎に凌霄咲ける温泉いでゆかな」(正岡子規)と詠われており、夏の季語になります。


 花言葉に『名誉な女性』『女性らしい』とあるのは、つる性の落葉樹だけに、他の樹木や壁につるを伸ばして寄り添うように咲くからでしょうか。

 凌霄花というのも、空を凌ぐほど高く伸びるからついた名前だそうです。よく伸びるのでアーチなどにいいそうですよ。


 英語ではトランペット・フラワーというように、その形はトランペットに似ています。『愛らしい』『華やかな』という花言葉そのものです。


 トランペットというと勝利のファンファーレのようなものが思い出されますが、花言葉に『栄光』『光栄』『名声』とあるのも納得してしまいます。


 世界で最も小さい鳥といわれるハチドリが空中をホバリングしながら嘴を花の中にさし込んでいる画像をご覧になったことがある方もいらっしゃると思いますが、その花がこれなんですって。

 今までハチドリにしか目がいかなかったんですが、そうと知ると今度から花もじっくり見ることになりそうです。興味を持つきっかけって些細なことですし、興味があるかないかで、見ているものも変わるんだから面白いなぁと思います。


 実際、このエッセイを書いたことで、近所の家の垣根にこのノウゼンカズラが咲いていることに初めて気づきました。

 花の姿と名前、そして花言葉を知ることで、初めて目がいったんですね。今までは単なる『垣根に色々咲いている花の中の一つ』に過ぎなかったんですが。

 オレンジ色の花弁を見るたびに、「あぁ、あれにハチドリが惹かれるのか」などと想いを馳せるようになりました。


 ちなみに、このエッセイではそれぞれの話の最後に誕生花を記載しているのですが、自分や大切な人の誕生日と同じだったり、記念日だったり、思い入れのある誕生花を見つけることで、その花に興味を持つきっかけの一つになってくれればという願いもこめています。


 ノウゼンカズラは7/14、7/15、7/20、8/6、8/11、8/14、8/19、8/31の誕生花です。



 ノウゼンカズラの花言葉一覧:『栄光』『光栄』『名声』『名誉』『名誉な女性』『女性らしい』『華のある人生』『豊富な愛情』『愛らしい』『華やかな』

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