のらねこ

 俺はのらねこだ。今はやりの地域ねことは一緒にしないでほしい。のらねこにはのらねこの意地がある。人間のくれるキャットフードには手を出さない。「おいでおいで」というおっさんやおねえさんに近づかない。飯はトカゲや昆虫を捕食する。ねずみなんて滅多にいないから捕まえたらご馳走だ。頭からむしゃむしゃ食べてやる。

 だけどさあ、冬になるとエサがなくなるんだよな。そういう時は「ちわ、地域外ねこです」なんて言ってキャットフードをいただいちゃったりする。これが美味いんだなあ。

 そこのあんた、俺のこと見ているだけじゃなくて喉元と背中撫でてくれよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る