贅沢なプリンター

 小説が完成したので、プリンターで印刷しようと思ったのだけど、紙を全然吸い込んでくれない。何回やってもダメだ。頭にきて、プリンターを床に叩きつけようとすると、

「待ってください、待ってください」

とプリンターが命乞いをする。

「じゃあ、なんで紙を吸わないんだ」

 と聞くと、

「ご主人様の使っている、リサイクルペーパー。これがどうも口に合わないんです。KOKUYOの紙にしてくれませんか?」

とのたまう。

 仕方がないので文房具屋に言ってKOKUYOの普通紙を挿入すると、サクサクプリントする。

「贅沢なやつだな」

 俺は思った。それにしてもプリンターに人工知能をつけたのはどこのどいつだ!

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