心臓から出てきたもの

 心臓が痛くてたまらないので病院に行った。「心臓に何か詰まっていますね」医師は言った。緊急手術だ。三時間かかった。麻酔から覚めた僕に、医師が笑って言う。「こんなものが出てきましたよ」僕は医師の手のひらに乗る物体を見つめた。「怪獣消しゴムだ。火山怪獣ドムモだ」「誤飲されたんでしょう。それがなぜか胃で消化されずに身体中を周り、心臓にたどり着いたんでしょう」医師はドムモを僕に手渡すと、病室を出た。僕は一人になった。僕はドムモにつぶやく。「三十年間にわたり、胃酸に耐えた修行、ご苦労。今こそ世界を破壊し尽くす時だ。行け!」僕はドムモを病院の庭に投げた。ドムモは巨大化し街を破壊しだした。「それで良い」僕、バリカン星人は言った。

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