第34話〝史上最高のチカラ″

ピグ:「という経緯だったのです。」


ジラ:「なるほどね。それで《秘密の書》は、見つかったの?」


ピグ:「ありましたよ!これです!」


マスタードグ:「こ、これが《秘密の書》…我々の中でも伝説の書なのだ。


それを手にするためには、この世界での心技体を極めた聖人の域に達した者が、己の能力を最大限に発揮したとしても、数千年掛かるであろうと言われていた伝説の書が…


ウリやんとハリやんに掛かれば、いとも簡単にやってのけた!


このチカラは、史上最高のチカラだよ!」


ウリやん:「ハリやん…この人らちょっとココがオカシイんちゃう?

会話が変人レベルやで…」


ハリやん:「ウリやん…実は、俺は見破ってんねん。

この人らはな…あれや。」


ウリやん:「な、なんや…何を見破ってん!」


ハリやん:「この人らはな…かの有名な劇団四季の人らや!」


ウリやん:「劇団四季ぃー!すごいやん!めっちゃ有名やん!お前見たことあんの?」


ハリやん:「…ない。

けど、このわけわからん会話や、けったいに光るおっさんとか、普通ではないのは間違いないやろ。

ほんでな、俺が見破ったのは、それだけやないんや。」


ウリやん:「なんやねん!なんかすごいやん!

ハリやん!

今、俺は生まれて初めて、ハリやんの次の言葉を聞きたくてしょうがない!

なんや!この期待度100%な感じは!」


ハリやん:「ふふふ・・・。ウリやん。

俺のことを、ただ屁ぇをこくだけの、大気汚染兵器やと思ってたかもしれへんけど、すごい能力を秘めていたということや。

シャーロックホームズ並の推理力を!」


ウリやん:「ホームズはん!聞かせて下さい!

もう続きが聞きたくて、脳みそが口開けてヨダレ垂らしてますねん!」


ハリやん:「ワトソンはん。

君は、答えを急ぎ過ぎる。


この天才の導き出した全容解明の全てを知りたくはないんかいな?」


ウリやん:「おー!その天才的な思考の全てをさらけ出してくれはるんですか!

これは、神様からの贈り物やがな!

お願いします!」


ハリやん:「まず、劇団四季だと分かったのは、あのさっきから、だまって見とるだけの、にやけた鼻の長い奴がおるやろ。」


ウリやん:「うん。おるおる。けったいな鼻や。」


ハリやん:「ほんで隣に、たまに口をはさむ、これまた首の長い奴がおるやん。」


ウリやん:「そや。けったいな首のオバハンが口はさんどる!」


ハリやん:「あの二人を見るだけで、劇団四季と分かる。

なんかテレビの宣伝で良く見たキャラや。

けったいなメイクとかようしとるやん。」


ウリやん:「なっとくや!異論はない!

それで?

そこまでは、聞いたやん!

その次を知りたいねん!」


ハリやん:「あせんなや!

まぁ、こっからが本筋や。

よう考えてみ?

あとの二人にヒントが隠されているんや。


謎に光る、偉そうなしゃべり方のおっさんと、急にピューン!と空を飛ぶサブちゃん。」


ウリやん:「なんやねん?サブちゃんて?」


ハリやん:「鼻の穴をあれだけオープンに前面に押し出すやつは、このアダ名しか思いつかへんかってん。」


ウリやん:「わかった!ひねりもなんもないけど、百歩譲ってサブちゃんとしよう!

ほんで?そこから何が分かったん?

はよ!教えてぇや!」


ハリやん:「んふふ・・・驚くなよ?

光るおっさん、空飛ぶサブちゃん。

普通やないわな?」


ウリやん:「普通やない!」


ハリやん:「あれは…


イリュージョンや!」


ウリやん:「うおおぉぉー!手品師か!

ナポレオンズみたいなやつや!」


ハリやん:「そや!これはな、劇団四季と手品師がコラボした…

路上演劇ライブなんや!」


ウリやん:「て…天才や…!

みくびってたわ…ハリやん…

俺は…初めて…お前に感動してもうたー!」


ハリやん:「せやろ!しかもウリやん、気いつけや!

どっかにカメラがあるはずや!

俺らも、映ってんねんで!」


ウリやん:「こ…これは、一大事や!


…?


うぁー!しまったぁー!

なんてこったぁー!」


ハリやん:「どしたん?ウリやん?」


ウリやん:「そんな大きなイベントいうたら、全国放送間違いないやん!


ってことは、さっきのニンニク攻撃のくだりも、全国放送されてしもたんちゃうの?


一生の不覚やぁ!」


ハリやん:「ウリやん。ここは、調子に乗ったもん負けやで!

俺らは、冷静に乗り切らな恥をかくでぇ〜!」

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