第22話〝だから、我々は、ピグを選んだのだ。″

ジラ:「私は、普段から感じていた、脅威の片鱗に触れてしまった…

そして底知れぬモンスターの支配力に思いっきり打ちのめされ、その場で絶望のあまり、うずくまってしまったの。


あの何の変哲もないライオンのニュースが、私の思いのチカラを狂わせた…

その恐ろしい驚愕のチカラに、抗う気力を削がれたような感覚…

これが、絶望の世界なの?…

そんな心の状態に陥ってしまったの。


そんな私に、マスタードグは、内なるチカラに目覚め、覚醒した姿とはどんなものかを見せてくれました。


それは、眩しいくらいの光を放ち、そして、私も同じ光に包まれているような不思議な感覚で、深い安らぎを与えてくれました。

そして優しくこう言ってくれたの…。


『絶望するには、早すぎる。

ジラ。

だから、我々は、ピグを選んだのだ。

そして、君を選んだのだよ。』


と。」


エレ:「あっ!また…」


ぐるんぐるん…


ピグ:「期待されてる感じって、こんな感じなのですね!

最高です!」


ぐるんぐるん…


エレ:「早めに、いろんな事を、経験しておいた方が良くない?

大事な場面で、ぐるんぐるん…やられたら、大変だよ!

話を聞いていると、なんか凄いことになっているみたいだし…」


ピグ:「はっ!すみません…

どうも…制御できないようです…

ジラ、続けて下さい。」


ジラ:「…わかったわ。

そして、マスタードグには、本当のLEOについても、教えてもらったのよ。」


ドグ:『彼のことは、知ろうとしないほうがいい。

彼は、表現者だ。

彼は、予想外を好む。

彼は、つまらないものを嫌う。

彼は、インスピレーションを大切にする。

彼は、常識、普通、定説、当たり前を見捨てる。

とにかく、不思議なのだ。

時には、我々の味方かのように、助けてくれる時もあれば、

時には、敵と思うくらいの試練を与えてくるのだ。

我々は、彼のオモチャに過ぎない。


そして、言っておこう。

彼のみ、ルシファーのチカラを無視することまで、やってのける。』


ジラ:「それから、マスタードグは、携帯電話には、気をつけるようにとの忠告を述べたあと、去っていったの。」


エレ:「ジラ?携帯電話の何が危険なのかな?」


ジラ:「マスタードグは、こう言っていたわ。

『見た目、表示、機能、全てにダマされるな。

一見、使用者が便利になったと思う機能は、LEOシステムにおいても便利になったということだ。

そして、例えばGPS機能をOFFしたとしても、使用者の見た目上、OFFされているだけかもしれない。

見た目でOFFになっていると思いこましているだけだ。

しっかり、管理されている。

モンスターは、すでに君たちに気づいた。

あのライオンのニュースは、ジラ、君に放たれたニュースだ。

君は、携帯電話を持っていた。

位置は、詳細に把握できる。

そして、君を標的にしたのだ。

君は、モンスターにとって脅威だからだ。

いや、君たちが、と言い直そう。

そして、この世界で脅威のエネルギーを操る術を得たようだ。

電磁波というものを。


電磁波については、LEOシステムにもつながりのある重要なファクターだ。

そして、ある悲運の天才科学者の名前を知っておいた方が良いだろう。

その名は、ニコラ・テスラ。

彼の発明は、驚くべきものばかりだ。

我々日本人には、因縁深い驚愕の装置も考案している…地震発生装置だ。

一説には、東日本大震災は、この地震発生装置を利用したものだという説もある。

そして彼は、偶然にも《世界システム》と名付けた、地球規模の情報通信網システムを考案しているのだ。

そして、彼の死後、彼の部屋から、様々なアイデアを記述した書類が持ち出されている。

モンスターは、おそらくこのチカラを得たのであろう。

そして、これらのチカラは、この投影の世界だけではなく、実在の世界にまで影響を及ぼすものであったのだ。』


ピグ:「凄い情報を教えて頂いたのですね。ジラ。

なるほど…。モンスターは、私たちに気づいていて、監視しているということですね。

そして、ニコラ・テスラ。電磁波…。

携帯電話や、ニュースのことも、これらのことが関係しているわけですね。

ちなみに、ジラ?携帯電話は、どうしましたか?」


ジラ:「捨てたわ。恐ろしくて、持つ気にもならないわ。」


ピグ:「そうですか、それなら、少し時間を稼ぐことが出来ますね。」


エレ:「あの…僕、持ってるんだけど…

もしかして、ま、…?


…!


えっ…?


う…うそでしょ…」


エレは、一気に青ざめてしまいました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る