第10話〝エゴ?″

ピグ:「あっ!そうですね。

この世界では、エゴという方が、わかりやすいんでしたね。」


エレ:「エゴ?

あんまりいいイメージのない言葉だね。

君の世界からすると、英雄って感じを受けるけど、そんなにすごいの?」


ピグ:「ジラは、説明しなかったのですか?」


エレ:「え〜と…エゴの話がでたのは、この世界は、願うと叶わないようにしてあって、それが自己で、エゴなんだということを教えてもらったけど、君がいう英雄的な意味合いは感じなかったけど…」


ピグ:「…エレ、君ではなくて、ピグと呼んでもらっていいですか?

この世界で、名前で呼んでもらった時の

《実感》をまだ経験してないんです。」


エレ:「わかったよ、ピグ」


ピグ:「うあ〜‼︎すごいです!

ありがとうございます!

ほんと、最高ですね!」


ピグは、感動すると、シッポをぐるんぐるん回すようです。

異常なほど喜んでいます。


ピグ:「あっ!失礼しました。

エゴについてでしたね。

この世界では、ルシファーは、悪魔だったり、堕天使、神の反逆者だとする考え方があると、ジラから教えてもらったんですが、ある視点から見ると、そうだとも言えますし、間違いとは言わないです。

でも、正しく理解すると、

ルシファー=エゴ

に対する考え方が変わると思います。」


エレ:「へぇ〜そうなんだ。

そんなこと考えたこともないや。

ねぇ、エゴってなんなの?ピグ?」


ピグ:「あぁ…最高…。」ぐるんぐるん…


エレ:「あの…いちいち名前をいう度に感動されたら、なかなか話が前に進まないんだけど…」


ピグ:「そ…そうですね。失礼しました。

本当は、ジラの役割なんですが、まだ、お伝えできていないようですので、ご説明します。

この世界の設計者、開発者を神様とするならば、この世界の運営、管理しているのが、ルシファー=エゴなんです。」


エレ:「ピグ?なんかすごいことを教えてくれてるんだと思うんだけど、ついていけるのか心配になる内容だね…」


ピグ:「…」ぐるんぐるん…


エレ:「何?またピグって呼ばれて感動したけど、感動するの我慢してるの?」


ピグ:「こ、これが我慢というものですか…こんな《実感》なんだ!

もうたまんないですね!」ぐるんぐるん…


エレ:「ほんと、いちいちめんどくさいね!

説明する気あるのかなぁ!」


ピグ:「も、申し訳ありません…


本来、ジラがあなたの思い出すレベルに応じて、話す順序を考えながら説明する予定だったのでしょうね。

続き、どうします?」


エレ:「うん…途中だと、気になるからお願いします。」


ピグ:「何度も失礼ですが、この世界でお願いされても…あなたが作られた法則なので…」


エレ:「ほんと…いちいちめんどくさいなぁ!

わかったよ、続きを聞くよ。」


ピグ:「かしこまりました。

エレ?ジラから、この世界のはじまりについての説明はありましたか?」


エレ:「うん。ジラから、教えてもらったけど、神様が自分を《実感》するために、創ったんだよね。」


ピグ:「そうですね。あなたが、その発案者であり、開発者として、検証を繰り返した結果、設計図を描かれ、そしてこの世界を創られました。

そして、自分で実感するためには、その運営、管理をする者が必要でした。

神様であるあなたが、自分で自分を実感するため、その目的のために描き、創った世界だからです。

そこで、あなたは、まず最初の自分の分身、我が子を生み出されました。

これが、この世界でいう、天使でした。」


エレ:「天使?」

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