有村果南の場合 ③

早朝練習と言っても、週に2回程度しかやっていないので、本当に練習?になっているかどうかすら怪しい所なんですが、でもどうも2回しか早朝練習が出来ないって方が正しいみたいなんですよ。


結局、飛べるかどうかわからない羽根で空を飛ぼう!と言う部活なので、空をうっかり飛べた時のための場所の確保が大変!だった様で~。


その場所が、週2回のそれも早朝しか使えないって言う事から、この早朝練習が部活の重要な練習の一つになっているのですねー。


って、あの後、ユッキー先生の運転する車に乗り込み、小高い山の山頂まで登って行くんだけど、その山の上には実はお墓しか無かったりするので毎回・・・・


「果南ちゃん!コワイよぉ~~~」

と、サエちゃんがブルブル怖がって大変だったりする。


サエちゃんは昔から、オバケとかそう言うたぐいのモノが苦手だったから、私がいつも援護していたんだけど~まだ、この歳!高校1年生になってもブルってるなんて、ちょっとそろそろ止めた方が・・・・。


と毎回思っていたり~。


「本当、ガキな、副島は。」

弓木海斗ゆみきかいとが、腐ったモノでも見るかのような目でサエちゃんを見るので、私は、


「アンタだって何か苦手な物位あるでしょ!」

と、突っ込んでやった。


すると、


「俺にコワいモノがあるとしたら・・・・一体何だと思う?当ててみろよ?」


とか言って来るので、コレは面倒なやりとりが延々続きそうなパターンになりそうな予感しか無かったので、


「いや、遠慮しとく。またの次回の楽しみにしとく。」

と言って、とりあえず無駄な会話のキャッチボールを回避しておいた。


そうこうしているうちに目的の場所に到着した部員の面々は、お墓の先にある展望台に向かって歩き出した。


前方から朝日が射して来て、皆の白い羽根を透かして私の目に入った。

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