第6日目:Ⅱ【謎の組織と手紙】
【2時間目】
先輩の動画を改善すべく、美術部員である3人(+ロボット)は美術室へ集まった。
「お母さん。なんで、今日部活すんの。」
ちか部長が言う。顧問が部長の母親とは知らなかった。
「ちか。あなたの名前は、千の華って書くでしょ。いつでも華やかにって意味なの。だから文句言わない。」
千華という漢字も初めて知った。思えば僕が部長について知っているのは妄想癖があることぐらいだった。
「名前に何が関係してるのさ。」
唇を尖らせながらも、部長は席に着く。
「斉藤先生。さっき言ってた手紙って。」
先輩は、僕と話す前から顧問の斉藤先生に呼ばれていたらしかった。
「あぁ。これ。送り主が『美術部協会』って書いてあるんだけど、先生見聞いたことないんだよね。」
そう言って先生は苦笑いを浮かべる。
美術部協会。その名を僕は聞いたことがあった。小学生時代の友人がやっているグループのようなものだ。『暇部』となりやすい『美術部』という存在を改善させる存在だ。
「先生。僕、美術部協会っての、知ってます。」
僕は先生とみんなに知っていることを全部話した。
「手紙には、最初はお前らって書いてある。でも、相手が高校生じゃ太刀打ち出来ねぇじゃんか。」
手紙には、最初はお前らと書いてある他に、「もしも我々に勝てたら、これからは目を瞑る」と書かれてもいた。
「勝つ。先輩!やってやりましょう。僕らの暇部のために。この“もしも”を実現しましょう!」
僕らは所詮『暇部』だ。でも、帰宅部に『青春』があるように、僕らに『本気』があってもいいはずだ。
先輩の本気の絵はすごくうまいし、僕も切り絵が大の得意だ。千華部長だってイラストならすごくうまい。
僕らは次のコンクールで絶対に自由を手に入れる。
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