旅人村

橘ミコト

0*プロローグ


「これくらいでどうかな?」



積み上げられた赤レンガの高い壁を見つめる赤毛の少年と、その隣には中級の魔物のゴーレムが1匹。



「俺らが作ったんだ。誇らしいな。」


「ガァァ。」


「お前もそう思うか。」



この惑星は地球に住む人間に発見されていないため、名前はない。

しかし、彼らの住む場所はこの惑星の[魔人の地方]の中のビリマナ地方。



「太陽が明るいな、コラム。」


「ガアァァ。」


「森に紙を貼りに行こう。モロを連れてくるか

らな。待ってろ。」



彼らの呼ぶ[太陽]とは、もちろん太陽ではなく、違う何かである。光を出す惑星の何か。

さきほど、[魔人の地方]という話を出したが、この惑星は大きく分けると[魔人の地方][魔族の地方][魔物の地方]の3つになる。

魔人というのはこの惑星でいう一般的な者のことである。魔法などは使えない。彼らを人間と呼ばないのは額の上にある角が異常だからだろう。



「モロ。森の周りを1周しよう。コラムもな。」



魔族というのは魔人と似ているが、違うと言えば魔法が使えること。耳はとんがっており、目は血の色、そして魔人よりも大きい角。

魔族と魔人は戦争を続けているのだ。現在もなお、それは続いている。

魔族の襲撃により家をなくし、この地をさまよう人を[旅人]と呼ぶ。



「より多くの旅人を保護するのだ!」



彼もその[旅人]の1人。

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