保育士かよ!!~最凶最悪の魔王が人間界の美人保育士になりましたとさ~【第三部突入!】
満月 愛ミ
最区最悪の魔王←入れ替わり→人間界の優しく素敵な保育士さん
第1話 ~闇~
何度目だろうなと、魔王は心の中でつぶやいた。
ロールプレイングゲームの最終局面。人の形とはいえない、禍々しいエネルギーの姿をしたこの世の凶悪となる魔王は、聖なる力をもった主人公やその連れたちと対決していた。
「この暗闇で覆われた世界を救うんだ! 皆、力を貸してくれ!」
「「「「「おう!」」」」」
「このときのために頑張ってきたんだ!」
何人率いてきたんだ、この魔王相手に。まぁ、それほど俺様は強いって事だよな。
分かりきっている“魔王の最期”に向けて、そう心の中でつぶやく。
折角自分の思うがままの世界にしたというのに。死ぬには惜しいが、そう“プログラミングされた”世界。
聖なる力をもった主人公たちは手を空に掲げ、眩しい光のエネルギーを放出しだした。
魔王の上空には聖なる光の雷がどんどん凝縮していく。空間が歪むような感覚に陥り、逃げられない状況だということも分かる。
「目を覚ましてくれ! 魔王……いや、アレス! 俺たちの世界を、一緒に取り戻すんだ!」
主人公の目は確かに魔王を向いている。
アレス、誰だ、そりゃ。アレスと呼ばれる覚えはないと、見下すように主人公の目を見つめる。
その瞬間、遠い昔の記憶が脳裏をよぎる。
どこかで逢ったことのある少年が自身に向かって微笑む姿が脳裏に浮かんだ気がしたが全てプログラムされた意味のないものであることも分かっていた。
魔王としての役目が“また”、終わった。
魔王の意識は黄金の光と共に包まれた。
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