第3話

 いざ投稿してみてのプレビュー数や★の数は、意外性に満ちていました。

 それは地図に載っていない箇所に新大陸を発見するが如くです。



 私が投稿したのは4作ですが、新人賞に応募して一次選考通過や二次選考通過作品が含まれております。



 が、一つだけ一次選考落ちのものがありました。

 驚いたことに、そんな作品がダントツでプレビュー数も★の数も獲得に至ったのです。



 それがSFの『天才設計士の恋愛事情』でした。



 本作は夢がある中にもちらりと現実が覗くように書いています。

 現代の刊行物の潮流には決して相容れない傍流も傍流、名も無き川と言えるでしょう。



 賞として敬遠されるのは分かるのですが、私の予想ではweb小説としても大きく異なることは無いだろうと思っていました。

 あらゆる可能性の中で、それが一番あり得る線であろう、と。



 ともすれば、カクヨムが『おすすめレビュー』でなく単なる『レビュー』という機能しかなかった場合、多くの激しい舌禍に見舞われるのだろう、と。



 しかし蓋を開けて見れば何とやら、でした。

 自作のファンタジーやミステリーより何倍ものプレビュー数と★をいただくことができたのです。



『そうか、自由に書いて良いんだ!』



 こう思うことができたのは振り返った日々の中で最も高揚させてくれた出来事となりました。



 私の公開した4作の中では一番自由に書いたのが『天才設計士の恋愛事情』となります。

 他の作品は刊行物を研究、そして推敲というプロセスの中でカンナやヤスリをかけ過ぎた感触があります。

 一番自由に書いた作品が思いがけず好評だったことで、トンネルの出口を見付けることができた気分です。



 まあ『おすすめレビュー』という良心的な機能によって守られている部分も大いにあるのでしょう。

 沢山マイナスのコメントがついていたら新規の人に敬遠されちゃっただろうしね。



 それに、書いている者は『批判も受け止めるべき』という空気が何となく、ある。

 これは非常に精神的な負荷が高いことです。



 カクヨムは色々な闇も抱えていますが、この『おすすめレビュー』は非常に良いと思いますよ。

 オススメしたい時にしか書けないわけだから、必然的に荒れなくなる……よく考えられていると思います。



 こうしてカクヨムに『web小説による自由』を見出すことができたので、これからも頑張っていこうと思います。



 まずは欲張らず、『知る人ぞ知る』隠れ家的なものを目指します。

 今私の作品を読んで下さっている方も、『自分だけが知っている』みたいな気持ちでニヤリとして下されば幸いです。

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