第41話 ショッピング

「さて、まずは買物と行こうか」

「やったー! かいものかいものー!!」


 シェリルの言葉を聞いて、菜々芽が走り回る。

 はしゃぎはしないものの、花梨も楽しそうな笑顔を浮かべていた。

 うーむ、女子ってみんな買物が好きだよな。


 かく言う俺も、すっごくわくわくしてるんだけどな。

 だって異世界だぜ? 異世界の買物なんだぜ?


 俺たちは街道を進み、商店が集まる区画へと到着した。

 ファンタジーならではの武器や防具を扱う店、骨董品のお店、食料品を扱っているお店……そしてなぜか様々な電化製品が置いてある店や、ゲームショップなど、この世界にはおよそ似つかわしくないお店もあったりする。ここ異世界だよな、何でこんな店が並んでるんだ?


「そうだな……、まずは先ほど消費してしまった回復アイテムを揃えるか」


「あー、あっちにかわいいの置いてある! ねーねーシェリルお姉ちゃん、ちょっと行ってきていい?」


「ああ。この辺りからあまり離れないようにな」


「やったー!」


「あ、じゃああたしも菜々芽ちゃんと行って来ようかな」


「うん! リンお姉ちゃんも一緒に行こ!」


 菜々芽は花梨の腕を引いて、女性向けの小物が置いてある店へと走っていった。

 ぬいぐるみとかアクセサリーとか、ファンシーなものが置いてある。

 おいおい、そんなの前の世界でも売ってただろーが。


「アラタはどうする?」


「俺は断然、回復アイテムだな。この世界ならではのものが見たい!」


「そうか。それならわたしと一緒に行こう」


 そう言って、シェリルはアイテムの店に向かおうとする。

 しかしふと足を止めて、花梨や菜々芽の方に目を向けていた。

 2人はリボンのヘアアクセを手にとって、楽しそうにしている。

 シェリルはそのリボンを、遠くから眺めているようだった。


「……シェリル、どうした?」


「え……? ――あ、いや、何でもないんだ。行こう」


 …………?


 うーん、まあいいか。

 そして俺たちは、アイテムショップへと足を運んだ。

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