第19話 伝説の武器

 むしろ俺を気づかって、全部言うなって話だろうがよぉぉぉ!


 それにしても、俺ってそんなに早いのか……?

 そんな、ずっと平均的男子くらいだと思ってたのに。

 確かに他の男子と比べる機会なんてなかったけどさあ。



「おおっ! こ、これは……エクスカリバーではないか!!」


 俺が落ちこんでいると、押し入れからシェリルの声が聞こえてきた。

 シェリルはまたも俺の部屋を漁っていたらしい。


 それにしてもエクスカリバーって言ったら、どんなロープレでもだいたい最後の方に出てくる強力な聖剣のことだろ?

 それが……何で俺の部屋にあるんだ?

 そもそも剣があることすら、あり得ないんだけど。


 ちゃーちゃらららちゃっちゃっちゃー♪

【シェリルは 精剣エクスカリバーを 手に入れた!】


 効果音とメッセージウインドウが出現する。

 ……んんっ? 精剣?



 シェリルが高々と掲げたのは――男性器をかたどったバイブレーダーだった。



 ――――っ!?

 おい! 何てものを入手してんだ!!

 これも親父がこっそりと隠したのだろう。だから息子の部屋に隠すなと(ry

 シェリルがスイッチを入れたのか、モーター音がうぃんうぃんと部屋に響く。


「アラタの部屋は宝の山ではないか! 三つ叉の矛トライデントもあるぞ!」うぃんうぃん。


「ちなみにそのトライデントっていうのは、これのことか?」うぃんうぃん。


「その通り。さすがはアラタ、よく知っているではないか」うぃんうぃん。


 俺が手に取ったのは、同時三点攻めのバイブだ。

 その三点というのが何なのかは、俺の口からはとても言えない。

 ……にしても、モーター音うるさくない?


「しかしそのバイブ、そんなに強いのか?」


「何を言っている。エクスカリバーは世界最強の武器だぞ」


「そうなのか? 普通ゲームだと、ラグナロクとか正宗の方が強いと思うけど」


「バカを言うな。X指定のカリな肉棒バーだぞ! これ以上のものがあってたまるか!」


「な、なるほど……!」うぃんうぃん。



 何という語呂。フツーにすごいなと思ってしまった。

 俺はもう、エロ魔法に毒されてきているのかもしれない。うぃんうぃん。

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