”私の小説”を書くために

冬空ノ牡羊

第1話 私が好きな小説家

 小説家 有川 浩


 その人こそ、私が小説に目覚めたきっかけであり、目標であり、勝手に師匠と呼んでいる人のひとりだ。


 有川 浩さんの作品の特徴は、甘々恋愛コメディーであること。自衛隊という、なんだかとっつきにくく難しいイメージを放つものを、彼女は恋愛コメディーという彼女の色を混ぜ合わせ、読みやすい小説へと変えている。もっと詳しいことは、それこそwikiやらなんやらで調べてみて欲しい。


 そして、有川 浩さんの作品である「図書館戦争シリーズ」、「3匹のおっさん」、「阪急電車」などは、映像作品に起用され、今年の初夏には「植物図鑑」が映画化。このことを知った時、正直、初めて映画館に行きたいと思った。

 で、本題に戻る。彼女の小説のどこに惹かれたのか、私なりに思い返してみた。やはり、彼女の色である甘々恋愛コメディーであろう。

 誤解を招いていると思うので、訂正を入れておく。私は恋愛コメディーが好きだ、というわけではない。むしろ、恥ずかしくてしょうがないのだ。

 むしろ、その部分が好きなのは作者、有川 浩さん自身だ。彼女は、自分が好きな恋愛コメディーを書いているのだ。


 自分が書きたいと思う小説。それはきっと、有川 浩さんが一番楽しく素直に書け、同時に私のような読者も素直に読める小説なのだろう。これは私の実体験だが、正直書きたくないと思いながら小説を書くと、どうしてもつまらない展開にしか向いていかない。逆に、国語表現の授業で書いた「書くのが楽しくて楽しくて仕方がないときに書いた小説」は、他の人から大絶賛された。

 有川 浩さんのデビュー作「塩の町」のあとがきに書いてあったことだが、当選を意識して書いた小説はほとんどかすりもしなかったけれど、心機一転して自分が書きたいと思って書いたこの作品は、見事に大賞に選ばれた(今手元にその小説が無いので違う部分があるかもしれませんが、だいたいそんな内容が書いてあったように記憶してます)。


 他にも、これまで様々な小説家の小説を私は読んできた。そして、私が面白いと思った小説の大半は、それぞれの小説家が悪戦苦闘しながらもノリノリで書いた、それぞれの小説家の色が滲み出た小説だった。


 このサイトの上位に入ることは、裏技や反則技を使えば簡単に達成できる。でも、私の小説はそんな軽いものではない。というか、その程度のものにしたくないのだ。だから、私は私の師匠達から学んだことを活かし、ヘンなこだわりのない、私なりの小説を書いていきたいとおもう。



 ……とりあえず、「~だ。」とか、「~なのだ。」みたいなタイプの語尾はやめとこうかな。書きにくいし、なんか仮面被ってるみたいで気持ち悪いし、堅苦しい印象でるし……。

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