鬼が居る間に!

盆チョコ

ープロローグー

日本は戦争に負けた。

それは血の流れない敗北だった。

圧倒的な武力を行使される前に自ずから降伏宣言したのだ。


そして、血が流れたのは敗北後からだ。

日本は戦火を浴びることはなかったため、今までどおりに無事発展を続けた。

そこに、大量に押し寄せた移民も伴って人口増加も、開発も爆発的に進んだ。

移民たちは様々なことに貢献した。そう治安の悪化にも、大きく貢献してくれた。


貧富の差は今までもあるものだったのだが、

より暴力的解決でそれを埋め合わせようとする人間が増した。

時代のせいかもしれない野心的で短絡的な人間が満ち溢れていたのだ。

大量開発大量消費大労働、しかし心は養われない。だから荒んでいった。

性も金銭も目に付けば誰かが狙う。絶好の市場マーケットだろう。

それらを手に入れるための道具は大量に国に持ち運ばれた。


気が付けば銃器や薬物は当然の如く、身近な存在になっていた。

鶏が先か卵が先か、どうでもいいことだが今まであったそれらを縛る法律はどんどん緩められていた。

そう。その移民達に圧倒的支持を受ける政党の手によって。


法の改悪に次ぐ改悪を元々の国民達にそれを止める手立てもなかった。

問題に気付いた時既に遅く、多数決のゲームに負けていたのだ。


無数にある法律の改悪にお盛んだったその政党も、

元々のメジャーな法もある程度はそのままに残していた。ある程度の理念一致や、新法作成に労を費やすことになりそうなものは弄る必要が無いと判断したのだろう。


斯くして、””と称される少年はかつての法によって長い年月護られていたのであった。


物語はその少年の 社会復帰 から幕を開ける。

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