第41話

「うーん、ここら辺かな?」


 妹は、ガイドブックをチェックする。


 俺たちは森の中、新しい狩場にむかっていた。


「活動不能を回復する薬は三本しかないから、ヤバいと思ったら帰りますよ」


「三本使いきるまで、たたかっちゃおうよ」


「マヤさんダメっすよ、高いんですからねこれ。ところで、どのくらいの強さの敵と戦うんですか?」


「それはひみつ」


「なんでですか。俺にはみんなをロストさせない、責任があるんですよ?」


「大丈夫だって、なんとかなるよ」


「ずいぶんと、手をやいているデスね」


「そうじゃのう」


「あっ、見えてきたよ!」


 森をつきすすむと、一軒の木の家。


 みるからにボロ屋で、ぶきみに巨大。


 そこから出てくる、三メートルはあろうかという巨人。


 その巨人は緑色で、肩から腰にかけて斜めにかけた、モサモサの服をきてる。


 巨人は、二本の木の棒を持っており。


 棒は手元はほそく、先端にいくにしたがって太くなっていく。


 手元のもち手は、黄ばんだ細い布地でグルグル巻きにされている。


「棒っすトロール

 LV六五 HP九〇〇〇 BP五〇〇〇

 トロールの亜種で棒が大好き。でも棒を投げたりして、あつかいはけっこう雑。


 うそをつくと丸い耳がとがるらしい。戦闘狂で冒険者がくるのを楽しみにしている」


 なんか強そうじゃね、っていうかヤバいだろこれ


「やめましょう。こいつ強そうですからね」


「おーい、お前! ナマイキなんだよ。やっつけてやる!」


 マヤさんが大声をはり上げている。


「ちょっとちょっと」


 俺は、マヤさんにかけよる。


「大丈夫だって、わたしがワンパンで倒しちゃうからさ」


 テッシ、カゲヤマ、フェリリもはしりよってくる。


 棒っすトロールは、ゆっくりとこちらに歩いてくる。


「俺たちが時間を稼ぐから、マヤさんはマジックで攻撃してください」


「あいよー」


「大丈夫かのう……」

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