美鈴の場合
ピピピピッピピピピッピピピピッ
午前5時半、いつもの時間で目覚ましが鳴る。
パチッ!隣で寝ている圭介を起こさないように、静かに目覚ましを止めた。そしてソーッと隣に目を向ける。
「よしよし、
今年3歳になったばかりの末娘の
結婚して1年で長男の啓太が産まれた。美鈴は子供は2人以上 ─出来れば下の子は女の子─ が欲しいとずっと思っていた。
啓太が大分手がかからなくなってきた頃、そろそろ2人目を・・と思っていた矢先、友人達が相次いで不妊治療に通い始めた。
年齢も啓太を妊娠した時より上っているし、もしかしたら自分も出来にくくなっているかもしれない・・そんな不安が頭をよぎったが、予想と反して美鈴はすぐに妊娠した。おまけに待望の女の子である。
美鈴は嬉しくて嬉しくてこの奇跡をすぐに友人達に報告した。そしてみんなから返ってくる「おめでとう!よかったね!」の言葉。
「朝ご飯は卵焼いて昨日の残りのミートボール、トマトとブロッコリー、啓太と
「あ、お見送りから帰ったら今日は水周りのアカ落とししなくちゃ・・」
美鈴は忙しそうにひとりごちながらも、この得も言われぬ幸せな時間を楽しんでいた。
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