異世界の人からしたらこの世界の人は異世界人
檍 悠人
第1話憧れてた異世界
異世界とかに行って、可愛い女の子と出会ってみたいと、
異世界とかに行って、死線を越える戦いをしてみたいと、
異世界とかに行って、魔法とか使ってみてぇと、
あの時の俺はそんなことを思っていた。
今俺の目の前には、すーすー寝息をたてて寝ている女がいる。
こいつの寝顔を見る度思い出す。
そう、俺がこんなひっでえ世界に来てしまった時のことを。
~2ヶ月前~
俺の名前は橘 康平
普通より少し…………………
いや、かなり出来の悪い野郎だった。
特に得意なものがあるわけでなく、
趣味もそんなにない。
熱くなれるものがないそんな男子高校だ。
唯一の趣味といえば、ゲームだ。
ジャンルはRPGが一番だ。
RPGは努力した分強くなれる。
そう、努力が報われるのだ。
将来なにかに役に立つ立たないと関係なしに、没頭、熱中したくなるものだ。
RPGが好きな人は1度でもいいから自分も魔法を使ってみたいと思ったことがあるだろう
実際に火の玉を手から放ったり、
氷の粒で敵を攻撃したり、
雷で倒したり、
魔法というものはかっこいい
そう、要するに
俺も使ってみたかった。
転送魔法的なのを使ってみたいと思った。
すごい突発的だが、そんな魔法があったらなとか、
そんな軽い気持ちで、適当に、魔法陣を書く。
「さて、転送魔法か、まぁ、もし行けるなら、
異世界とかに行ってみたいな」
なんて馬鹿なことを良いながら適当に書いた魔法陣の上に乗って祈ってみる。
本当になんでこんな馬鹿なことをしたんだ、
恥ずかしい。
そのまま目を瞑って祈っていると、
何故か自分が浮いてるような気がした。
目を開け、そこで見たものは……………
濃い緑の森、
透き通るように美しい水の海、
堂々と連なる山脈、
そして今まさに、下に落下中の俺を喰おうとしてるドラゴン、
どれもほとんど俺の知らないものだった。
いや、かなり語弊があるな、
どれも知っているがあの世界では決して見ることのできない、
まるで別の世界、
異世界のような風景を目の当たりにした。
「」
人は驚き過ぎると声が出ないらしい。
今まさに自分が体験している。
さっきからドラゴンと呼ぶべき、風貌の生き物が俺を食おうと襲ってくるが、
何故か近くまで来ては弾き返されてるかのように、
後退している。
良く見ると俺が降りようとしてるところには、
俺が適当に描いた魔法陣と似たような魔法陣が描いてある。
どうしてこうなった
3分後、やっと地上に降り立つことが出来た。
ドラゴンの他には、怪鳥と言える鳥や、
地上には雑魚モンスターっぽいスライムなどがいた。
そして、俺はというと、
よくある駆け出し冒険者の町的な場所にいる。
流石に、ドラゴンとかを見ればもうわかる、
ここは異世界だ。
そう、これから俺は異世界もののストーリーっぽく、
美人な王女様と良い感じの関係になったり、
剣を片手に、魔法を使って魔物を討伐したり、
なにかがきっかけで能力が覚醒したりとかするんだろうか。
そんな淡い期待を胸に、
俺はとりあえず酒場を探した。
さぁ、異世界ぐらしを始めよう。
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