失恋記念日
とろけないちーず
第1話
夕焼けの光が差す放課後の教室。そこには僕と彼女しかいない。一瞬 、ほんの一瞬が永遠に感じる。これは僕が6年間も溜め込んだ勇気と決意。それを今日、この瞬間解放する。
「し、小学生の、こ、頃から………好きでした。ずっと想ってました。付き合って欲しいです。」
言ってしまった。小学生の頃からずっと好きだった女子に、告白してしまった。16年も生きてきて初めて出した勇気。告白してから少し経たずに彼女は返事を告げる。
「カスム君。嬉しい…ありがとう。でも好きな人がいるの。私。だからカスム君とは付き合えない。ごめんなさい。」
知っていた。彼女は隣のクラスにいるマナトに好意を持っていると噂を聞いていたからだ。
そもそも僕と彼女が面識を持ったのは小学5年生の頃、僕が最初は一方的に知っているだけだった。同じ中学校に進学して同じ部活に所属しひしひしと想いをつのらせてきた。そんな奥手な僕に彼女が振り向くはずがないのは初めから分かっていた。返す言葉もなく黙り込む僕。返事を告げると彼女は教室を駆け足で去っていく。こうして人生初の告白と失恋を知った。今夜は眠れそうにない。
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