日々是好日

ななしさん

食べる

 今日も空が青くて青くて高くて私には眩しい。


 

 午前10時、いつものコンビニへ行く。

 カップラーメン、カップラーメン、揚げ物の入ったお弁当、おにぎり、おにぎり、サンドイッチ・・いやパンは駄目だ。納豆、唐揚げ、唐揚げ、チョコレート、パスタの入ったお弁当。


 店員と目も合わせず会計。そそくさと店を後にする。

 歩く歩く歩く。家までの距離、200メートル。歩く歩く。



 服も着替えず。手も洗わず。弁当も温めず。

 そのまま胃の中へ。胃の中へ。味わう事なくただただ胃の中へ。

 顎が痛い。咀嚼音だけが部屋に響く。

 

 水を飲む。たくさんたくさん飲む。

 水は透明、なんて美しいのだろう。

 どんどん膨れる。あっという間だ。

 ーよし、トイレに行こう。



 一通り胃の中を流してしまったらさあまた次の物を胃の中へ。

 


 同じ事の繰り返し。私はロボットになったかのように同じ事を繰り返す。食べる食べる食べる吐く吐く食べる食べる吐く吐く吐く食べる食べる食べる吐く吐く吐く。

 感情を無くして何も考えず。ただ目の前の食べ物を胃へと運ぶ。もう食べたくて出しているのか出したくて食べているのかさっぱり分からない。

 いつからこんな事になってしまったのか。いつまでこんな事になっているのか。そんな事もさっぱり分からない。


 私の目は何も捕らえない。

 ただなぜか涙だけが溢れてくる。涙が溢れて溢れて溢れてただただ苦しい。


 けれど、それも一緒に流してしまおう。




 午後6時、いつものコンビニへ行く。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る