魔法の箱のパイプオルガン
魔法学校の廊下に、美しい彫刻が施された長方形の箱が落ちていました。それは強力な魔力が秘められた箱で、一抱えほどの大きさです。マリはそんなことも知らずにその箱を拾ってしまいました。箱には南京錠がかかっています。「なんてきれいな箱だろう」とマリが眺めていると、南京錠にポッと火が着き、鍵は熱で溶けて歪んで外れ、絨毯が敷かれている床に落ちました。鍵が纏っていた炎が絨毯に移って、見る見るうちに火が広がり学校は火事になりました。
鍵の外れた箱の蓋はひとりでに開いてどんどん変形し、元の箱からは考えられない、見上げるほどに大きくて立派なパイプオルガンになりました。
周りは火事で大騒ぎですがマリはこのパイプオルガンに釘付けです。すると、鍵盤の近くにある引き出しが開きました。中には判子がたくさん並んでいます。何かの契約に使う判子のようです。判子を見ているとどこからか一枚の紙がマリの手元にひらひらと落ちて来て、そこには『ぼくが奏でるからそれに合わせて弾いてみて』と書かれていました。きっとこのパイプオルガンからのメッセージでしょう。マリはピアノを弾けませんが、鍵盤に指を乗せました。
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