新しいヒーロー
マリは町を守る正義のヒーローになることを決意しました。ヒーローに必要なのは変身衣装です。マリは物置部屋から狐のお面とセーラー服を引っ張り出してそれらを纏い、自転車に乗ってパトロールを始めました。
その姿を見た小学生たちはマリを尊敬し、弟子にしてほしいと頼みました。たくさんの小学生の弟子を従えてマリはパトロールを続けます。泥の溜まった溝の中も怯まず進みます。弟子たちは汚水を嫌がりましたが、マリを尊敬しているので真似をして付いて来ました。
殺人事件が起こったという話を聞きつけて、マリは現場へ行き、犯人探しをすることにしました。「犯人は葬儀屋の奥さんよ。殺した後に自分の仕事場で火葬して証拠と死体を隠滅したのよ。なんて完璧な推理でしょう!」全くのデタラメでしたが、弟子たちはマリを称えました。
満足してパトロールに戻ると記憶退行しているお爺さんとすれ違いました。家族に支えられて歩いています。「戦争行くのじゃ! がんばるぞー」と意気込んでいました。
ふと、マリは自分が迷子になっていることに気が付きました。弟子の小学生たちは不安になり、マリに失望しかけました。ですが「あっちよ」とマリは自信ありげに、しかし全くデタラメな方向を指差して、その方向へ進みました。すると、なんと偶然にも見慣れた商店街に出ることができました。弟子はマリを見直しました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます