熱帯魚屋さんの瓶詰め生き物

 マリはお父さんと一緒に熱帯魚屋さんへ来ています。お父さんは『瓶詰め生き物コーナー』にマリを連れて行き「なにかひとつ買ってあげる」と言いました。マリは喜んで棚の上にたくさん並んでいる瓶の中の生き物を眺め始めました。特に、小さな生き物ばかりが入っている5センチほどの瓶が並んだ棚を熱心に見つめます。その棚の瓶の中には

・水中でも活動できるアリ

・目に見えないくらい小さなクラゲ

・死にかけの熱帯魚

・半透明の小さなエビ

・瓶の中に小さな瓶が3つ入っていてそれぞれに小さな赤いエビが一匹ずつ入ったセット

などが置いてありました。


 お父さんはマリに半透明のエビをすすめました。マリが瓶の前で悩んでいるとお店の人がやってきて、半透明エビが食事をするところを見せてくれました。よく見ると半透明エビの瓶の中に、小さな小さな丸い生き物がいます。エビはそれを捕まえると丸呑みにしました。それを見てマリは「このエビは生き餌を食べるのね。飼育が大変そう……」と思いましたが、お父さんのすすめもあり、その半透明エビを飼うことにしました。


 半透明エビの入った瓶を大事に抱えてお父さんと家に帰るとマリはさっそく大きめの水槽を用意して水を入れ、瓶からエビをお引っ越しさせる準備を始めました。


 5ミリ程だった半透明エビは瓶から出すと、途端に10センチくらいの大きさになりました。「大きいと、あまりかわいくないかもしれない……」とマリはすこし残念に思いました。

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