少年の見たバラの夢

 《もしも二人で暮らしていたら 市松模様の着替えがあった》


そんな歌詞の曲が流れている庭園で学生服を着た背の高い儚げな少年がマリに話しかけました。「ねぇ、聞いて。夢を見た。バラの女の子の夢。その子のトゲは全てを傷つけるけれど、本当に憎んでいるのは自分の故郷だけなんだ」そう言って彼は彫刻刀で柱にバラを描いています。そして思い立ったように「なにもしなくていい部屋があるんだ。行こう」と言って微笑んで、マリをその部屋に誘いました。

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