不思議な兄妹

 マリは雨の中を傘を差して歩いていました。マリの近くにはひとつの傘にふたりで入って歩いている人がいます。なぜかそのふたりはマリに傘をぶつけてきます。いやな気持ちになって反対側の道を歩こうとし、道を渡りましたがそのふたりも反対側の道に移って、またマリに傘をぶつけてきました。


 そのふたりの顔をそっと覗くと、少年と小さな老婆でした。ふたりはランドセルを背負っています。老婆も赤いランドセルを背負っていて洋服は子供っぽいものを着ており、白髪はふたつ結びにされていました。


 不思議そうにしているマリに気付いた少年は「この子、12歳なんだよ」と言いました。マリは驚きました。彼女はどう見ても老婆です。さらに「僕は20歳なんだ」と続けました。彼はどう見ても小学生にしか見えません。「僕たちは6人兄弟なのだけれど、僕らふたりだけがこうなんだ」と話します。マリは「すごい!」と驚きの声をあげました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る