浅い池でおしゃべり

 マリのクラスにとても愛らしい女子生徒がいました。髪はゆるくパーマのかかったミルクティー色で大きな目に大きな黒目が印象的な子です。その子はおしゃべりで明るかったのですが些か性格がきつくてみんなに嫌われていました。それでも全くめげずにクラスメイトに話しかけていましたがみんなはそれを無視して、苦笑を浮かべます。


 その子の席はマリのななめ後ろにあって、授業が始まるまでその子はマリの服を引っ張るなどしてちょっかいを出していました。マリは邪険に出来ず、振り返ってはおしゃべりに付き合いました。


 家庭科と数学の授業を終え休み時間になり、マリはその子と一緒に学校の庭にある小さな池へ行ってあひるを眺めながらおしゃべりを始めました。「フフフ、ねえ、この池 浅過ぎない?」と言ってその子は笑います。池の深さは5センチほどしか無かったのです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る