緑のウジ虫
旅の途中。「忘れ物、無いかしら」とソワソワしてマリは電車の座席に座ってからというもの、ずっと頭の中で荷物確認をしています。そんな時、突然電車が大きく揺れて動かなくなりました。トンネルの中でなにかに襲撃されたらしく車内灯も消えて中は真っ暗です。しばらくすると暗闇に目が慣れて、マリが電車の窓の外を見てみると人間の赤ん坊ほどの大きさの緑色のウジ虫のようなものがたくさんいて、電車とトンネルの間を埋めているのがわかりました。
開いていたドアから手を伸ばしてそこからウジ虫をひとつ取って手にすこし力を込めてみるとウジ虫は ぽよよん と弾けて消えました。「なるほど、こうすれば良いのね」とマリはどんどんウジ虫を手に取り、弾けさせて数を減らして電車の外へ出ました。
たくさんの人が先にいて線路に沿って不安そうにトンネルを歩いています。マリもそれに続いて歩くことにしました。みんな、まるでゾンビのようです。携帯電話の充電がどのくらい残っているのか気になりましたがあまり残っていなかったら不安になってしまうので、確認しないまま、マリはみんなと同じ方向へ歩きました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます