ちいさな誘拐犯

 マリは白い部屋でひとり、ベッドに入って誰かを待っています。することが無くてぼんやりと壁や天井を見ていると、壁に2センチくらいの茶色い虫が這っているのを見つけたのでしばらく目で追いかけていましたが、すこし目を離した隙にその虫はいなくなりました。


 反対側の壁を見ると、今度は緑色をした1センチくらいのキラキラした虫がいるのを見つけたのでマリはそれを目で追いました。すると突然、ヂヂヂヂヂ……!と大きな虫が暴れるような羽音が近くから聞こえたので音がした方を見ると、クワガタが最初にマリが見かけた茶色い虫を脚で捕まえてどこかへ飛んで行くのが見えました。まるで誘拐です。しばらくすると緑色の虫もクワガタに誘拐されてしまい、それを見ていたマリは「あのクワガタはキケンね」と思いました。

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