第2話

最近、水仙とニラを間違えて食べるって事故で騒いでますね。

私の家にも水仙がありました。玄関の脇にね。いざとなればこれを食事に混ぜてやれば良いんだって思ってた。実行はしなかったけどね。でもこれって実はけっこう大切で、「いつでも殺せる」って思い込みは私の逃げ場になってたかもね。

殺してやりたかったんです。でもね、勿体ないじゃないですか。そんなくだらないことで人生を棒に振るなんて。だからやりませんでしたし、実際そんな度胸もなかった。臆病な子どもだったんです。

今は殺してやれば良かったと思ってます。まあ実際はやらないだろうけど、母をね、殺してやれば、少なくとももっと早く楽になれたでしょう。逆に父親にはずっと生きてて欲しいですね。ずっと生きて、地獄のような苦しみを味わってほしい。まあ父親は痴呆で何もわからなくなってるので、苦しみも痛みもろくに感じられないというのが残念なところですね。

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