第4話 馬車
森には、かつて2人の男がいた。あるとき、森を小麦を満載した馬車が通った。馬車は、段差にぶつかり激しく跳ねた。馬車は、そのまま走り抜けたが、一袋の小麦を落としていった。
男は言った。「見ろ。小麦だ。拾え。」
もう1人の男は、馬車に向かって走り出していた。あの馬車には小麦が沢山ある。馬車を行く先には小麦以外のものも何でもある気がした。男には、馬車が輝いて見えた。自身の未来が遠くへ行ってしまう。男は、全力で馬車に向かって走り出していた。
もう1人の男は、下を見ながら叫びあげた。
「どこに行くんだ。風で小麦が飛んでいくだろう。おまえも早く回収するんだ」
馬車を追った男は2度と森には帰って来なかった。小麦を集めていた男は、今でも森にいる。
作者追記
クズ人間は、目先の利益
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