　実はハーデス、浮気をしたことが一度だけある。ミント、という女性に対してだ。これにはさすがのペルセポネも激怒、彼女を花に変えてしまったんだとか。

　しかしケルベロスは、ペルセポネ本人からミントに関する話を何度か聞いている。それも笑顔で。……案外と、複雑な事情があって彼女を花に変えたのかもしれない。

「まったくさ、ゼウスって信用できないよね」

　ハーデスの話は続く。――確かに女性関係については、激しく頷くしかない一言だった。

　ゼウスの浮気性については、人間の世界でも非常に有名だろう。なお本人は無罪を主張している。確かにハーレムは好きだが、いくら何でもあそこまで節操なしじゃない、と。

　まあその辺りについては、人間側の事情もある。多くの家系がゼウスの子孫である、と主張するようになったため、結果として浮気話が多くなったのだ。

　……完全に否定できない辺り、有罪ではあるんだろうけど。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい