散文詩集

四季 巡

戦場へと散る花よ。


わたしが一番きれいだったとき。

夫は名も知れず孤島へと行かざるを得なかった。

帰ってくるよと微笑んで、蒸気機関に乗る夫は、一通の手紙として帰って来た。

封を開け、手紙を読むと知らずのうちに涙が溢れた。

綴られた文字が、夫の最後で。

微笑む姿が蘇る。

今日も空は何処まで青く、凪いだ思い出の海のよう。

夫と歩いた瀬戸内は、潮騒に身を委ねた静寂で。

海が鏡に映ったような青空を見ると、荒波に飲み込まれた気分で。

虚しさ岸に押し寄せる。

いつかさよならと言えるなら、私は貴方にキスをしたい。

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