特別養護老人ホームの闇
@kaigo
プロローグ
世間一般では介護と言うと、老人ホームを想起される方が多い。
実際に、親などが介護が必要になれば、老人ホームに入れるしか無い。そう思い込んでいる方も多いと思います。
最近では有料老人ホームも増えましたが、一般的に老人ホームと言いますと、『特別養護老人ホーム』を指すのだと思います。
特別養護老人ホームは社会福祉法人によって、運営される介護の必要な方の入所施設となります。基本的には【完全介護】が必要な方という前提がありましたが、高度成長期以後、それは建前だけになっていた事実があります。
最近はそれを是正する為に、介護度3以上など、運用ルールが徹底されるような方向性が国から示されるようになっています。これは何故かと言えば、単純に社会福祉に掛かる負担を軽減するためです。
団塊の世代の方々が要介護状態に入っている現状では、その全てを完全介護の特養に入所させるわけにはいかないのです。
特養に入所させると、一人に掛かる費用は約35万円程度になります。ところが、入所者が支払う費用は高くても17万程度。大抵の人は12万前後となります。ただし、特養に入所されている方のかなりの割合で生活保護受給者もいらっしゃいます。その場合は全額が公費となるのです。
このように、かなり公費負担が大きいのです。その為に一般の方からすれば、特養に大きな魅力を感じますが、国からすれば、大きな負担でしかありません。そのため、出来る限り、施設の増加を抑え、必要な人だけに集中させるやり方に変化しているわけです。
軽く特養について、説明しましたが、この作品は特養内において、どのような事が行われているか。それは老人虐待から始まり、介護報酬の詐取、利用者無視の実態などを書き綴りたいと思っています。
特養と言うのは、介護保険が始まった現在においても、大きなブラックボックスのような存在です。同じ介護業者であっても、施設内で起きている事は解り辛い構造となっています。
それはすなわち、悪事の温床となっており、利用者や利用者の家族、国や県、市まで含めて、大きな被害を静かに受けている可能性があるのです。これは構造的な欠陥、制度の欠陥、経営の欠陥など、多くの落とし穴が複合的に重なった結果なのです。それらを多くの人々が知って、是正を求める事で、より良い介護が行われるようになると思っております。
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