第52頁目 ― 18 ― レミーヌ ―

   ― 18 ― レミーヌ ―


 台風の中。優紀さんの帰宅が遅くて、私(わたくし)は、優紀さんが心配で探し回り、道端で意識を失って倒れていた優紀さんを見つけた。

 特に外傷もなく大事に至っていなかったことだけでも幸いだった。

 そして、優紀さんを五号室の部屋まで運び、今看病をしている。

『 優紀さん。早く元気になってね 』

 私(わたくし)の霊力で服を乾かし、様態も良くしてあげた。

 後は、優紀さんが目覚めるを待つだけ・・・


『レミーヌ。死にかけの下等動物を拾ってきたのかい?』

 その時、伯母様(おばさま)がウザくも又登場した。

『伯母様(おばさま)!拾ってきたなんてヒド過ぎるわ! 助けてあげたんです!』

 私(わたくし)は、伯母様(おばさま)の言い方にムッとする。

『放っておけば地獄へと落ちていく下等動物を 何故助けたのです!?レミーヌ。』

『地獄だなんてヒドイわ! どうして、地獄だなんて決め付けるの?!』

 だんだんと声のテンションが上がっていく私(わたくし)。

 ああああああ、、、、、!、本当にムカつく!。

『私が、自動的にこの下等動物を地獄へと案内するからに決まっているからさ!』

 少しキレ気味の伯母様(おばさま)。

『あんまりよ!私(わたくし)が絶対に守ってみせる! 伯母様(おばさま)になんか負けるものですか!』

 私(わたくし)は意地になり、必死に抵抗する。

『勝手すぎる好意は、あまりよろしくないですね』

 伯母様(おばさま)がそう言い残し、姿を消して居なくなった。

 もう、出てこないで!。

 もう、私(わたくし)の前に出てこないで!。


『ふぉふぉふぉフォ・・・レミーヌ。

 ラ・フィーヌは、色々と忙しい中、おまえを教育しに来ているのじゃ。

 レミーヌの恋心も判らない気はしないがのう。

 あまり、その男にお熱になると、後でレミーヌが困る事を判ってほしいのじゃ』

 何処からともなく聞こえるル・ジャル伯爵の声。 姿さえ現そうとはしなかった。

『いやぁぁぁぁぁぁ!!。みんな邪魔よ!私(わたくし)を放っておいて!』

 私(わたくし)は耳をふさぎ、何も聞こえないように大声で叫んだ。

 そうすると、伯母様(おばさま)とル・ジャル伯爵の気配が一切なくなった。


 -----私(わたくし)が何か疲れを感じているうちに、長い時間が過ぎた。

 徐々に回復に向かっている優紀さん。

 私(わたくし)もその場で姿を消し、優紀さんの様子を伺うことにした。


 -------そして、台風も一過した次の日。

 優紀さんがやっと目覚めた。


 よかった。

 これで私(わたくし)は、とりあえず一安心です。

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