第47頁目
「教授。羽美(うみ)さんは、まさか、空が飛べたり、身体(からだ)からマシンガンや大砲や剣などの武器は出ませんよね?もちろん。」
不安ながらも、とりあえず聞いてみるオレ。
「凄いこと聞きますね。
まあ、羽美(うみ)は
えっ?
けど?
なに?
「えっ?『 けど 』ってどういう意味ですか?」
オレは思わず驚きながら問う。
「羽美(うみ)の学習能力は凄いものです。三十センチの分厚い百科事典一冊を読み終える速さは、わずか三秒です。それで全て記憶され、学習・復習します。」
えっ?三秒?!
超速読?
その超速読って、どうやったら出来るんだよ!
「羽美(うみ)は、脳から神経・細胞に命令が伝達されると、細胞が変化していく可能性が考えられます・・・」
は?
今なに言ったんだ?
細胞が変化?えっ?
ええええぇぇぇぇ!!・・・
おいおい。急にまた凄いこと言い出すよなアフロ教授。
「変化?まさか、変身でも出来ると言うのですか?」
オレはまた疑問をぶつけてみる。
「羽美(うみ)の能力は細胞を自由自在に操り、変化させられることの出来る 身体(からだ)なのです。
わたしは再生の遺伝子を組み替える時、細胞の成長の染色体のゲノムを選び、改良をしたはずなのですが、その時ゲノムの遺伝子情報がまるっきり変わってしまった事に気づいたのです。
その日から、遺伝子情報のゲノムが毎日毎日違う情報通達で変化して行ったのです。
・・・もう、すでにその時には、気づくのが遅かったのです。
羽美(うみ)がもうすでに成長を始めていましたから・・・」
えっ?なにこのSF展開は?
昔のアニメの再放送で見たことのある、バビル二世のロデムや、サイボーグ009の、グレート・ブリテン見たいに、細胞を自由に変化させ何にでも変身が出きるとでも言うのか?
「羽美(うみ)が武器をほしいと思えば、細胞が動き変化し、手が腕が機関銃になったりバズーカ砲になったりする可能性があるのです。
空を飛びたいと思えば、それなりの変化で空も飛べることでしょう。
もし、本人が望むのならば、兵器になったりもする事でしょう。
ただ、今の段階では、普通に毎日を過ごせる女性でありたい。と言う望みが高くて、変化をさせないと思いますよ」
ってか、羽美(うみ)さんの発明は、とてつもなく失敗に終わったまま突き進んでいる気がする。
アフロ教授、『 羽美(うみ)は失敗作 』だと言えよ正直に!。
ロボット?サイボーグ?。コンピューター機械が埋め込まれているから、確かに、ロボットかも知れない。
でも、アンドロイドからヒューマノイドと表現を変えて話すアフロ教授。
早く言うと、ミュータント [ mutant ] ⇒ 突然変異体では?。
聞けば聞くほど『 ロボット 』と言う言葉から、遠ざかっている気がする。
でも羽美(うみ)さんにそんな凄い特殊能力があったんだw。
「・・・まあ、結果論からして、羽美(うみ)が変化をするか?しないか?は実際の場面に出会っていませんから、なんとも言えませんけどね
今日のわたしの話しはこれぐらいにしておきましょう
ちょっと、席を外しますね。五号室の人さん。」
アフロ教授はビールを一口飲むと、今までの話しは一切何も無かったように、住人たちにアルコールを注ぎに回り始めた。
そういえば羽美(うみ)さん。樹海の森で蛇を回していた場面を見たとき、手が
トカゲに蹴りを入れていたときには、足がまるで鉄パイプのような硬さにも見えた・・・
途中、目の錯覚にも見えたが、一瞬に形を変えたり戻したりしたのだろうか?
残像に映っていた万力と鉄パイプ。
あの時はきっと、怖さが反動となって変化したのだろうか?。
羽美(うみ)さんは自分の意志で今は変化は出来ないのだろうか?
もし今後、自分意志で変化できることをマスターした時、
いったい何が起こるのだろう?
オレは考えれば、考えるほどに怖くなっていく・・・
まあ、オレの心の片隅のどこかに
『あ、そんなんだ。 羽美(うみ)さんってミュータント・ヒューマノイドなんだ 』という情報をこっそりとしまっておこう。
オレは信じられない現実から、また逃避しようとしていた。
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