第37頁目 ― 14 ― オレ、睡眠中 ―
― 14 ― オレ、睡眠中 ―
優紀さんは、部屋を入ると直ぐに寝てしまった。
優紀さんの寝顔・・・とても可愛い♥
優紀さんの部屋で、私(わたくし)が姿を現そうとした時、伯母様(おばさま)が先に姿を現した。
まさか!また、やらかす気だわ!
私(わたくし)は急いで姿を現した。
『伯母様(おばさま)!何をするつもり!?』
私(わたくし)は、先に行動を止めた。すると、伯母様(おばさま)は、私(わたくし)をギロリと睨(にら)んだ。
『おだまりレミーヌ!。このような下等動物は、懲らしめたほうが良いのです』
『
なぜ?どうして?私(わたくし)たちを観賞するの!!』
私(わたくし)はとてもくやしかった。愛する優紀さんと結ばれぬ恋だと知っていても、この治まらぬ愛が止まらなく、そこへ邪魔をする伯母様(おばさま)に憎しみをも感じ始めていた。
『おだまり!!。下等動物に決まっているからだよ!
こんな下等動物を相手する暇があるのなら霊界に帰ってくるんだよ !」
伯母様(おばさま)は、私(わたくし)を心配して言ってくれているようだけど、優紀さんに対する私(わたくし)の思いは、伯母様(おばさま)には伝わらなかった。
『ふぉっふぉっふぉ・・・とてもゴキゲンじゃなレミーヌ!』
いつも通り、笑い声と共に現れたル・ジャル伯爵。
おそらく伯母様(おばさま)を参戦するために来たに違いない。
『ぬぉ、レミーヌやぁ、まだあの男に恋しとるのかのう?
わしも思うのじゃが、下等な人間はやめた方がいいんじゃないのかのう?』
『ど、どうして、二人して人間をイヤがるの?!
す、優紀さんは、とてもいい人よ・・・』
私(わたくし)は悲しい顔を見せながらル・ジャル伯爵に訴える。
『ふぉっふぉ・・・わしは、人間をイヤがってはおらん。
ただ、
『ル、ル・ジャル伯爵。イヤ( 嫌 )も嫌いも同じ意味です!』
『お?、ふぉっふぉっふぉっふぉ、そうじゃったなレミーヌ。』
『おだまりレミーヌ。こんな下等動物を決して好きになってはなりません !
いいですか?再度忠告します。』
『ど、どうしてなの伯母様(おばさま)?』
『下等動物を選ぶなんて、絶対に許可しません!。
好むのならば、数多く霊界に存在する貴族の一人を選びなさいレミーヌ。よろしいですか?』
『伯母様(おばさま)・・・私(わたくし)は絶対にイヤ!
私(わたくし)は、優紀さんを好きになったのですもの。
絶対に優紀さんの心を私(わたくし)に向かせて見せるわ!』
『なりませぬ、絶対に!』
伯母様(おばさま)が私(わたくし)を睨みつける。
『ふぉふぉっふぉ・・・まあ、いいじゃろう。
恋愛なんぞは、好きな時にするものじゃ
わしは人間はイヤじゃけど、レミーヌを応援するぞ
まぁのぉ、はりきって気が済むまで頑張るのじゃぞ、レミーヌよ。』
『わーーーい。ル・ジャル伯爵、凄く物分りが良くて、
だぁぁいぃぃぃすきぃぃぃ!♥
誰かさんと違って、頭が柔らかくて、だぁぁーーーいぃぃ好きっ♥♥♥』
『おだまりレミーヌ!。
ル・ジャル伯爵。どうして、いつもレミーヌにそんなに甘いのですか?
もう少し、教育に熱心になったらどうなんですか?!』
『のぉ、ラ・フィーヌよ。まあ、時代と共に自由が個人に許されている時代じゃ
古い考えを変えなきゃいかない時もあるのでは ないじゃろうか?』
『ル・ジャル伯爵・・・私たちは、中世時代の貴族。この現代に合わせていたら
命が何個あっても足りません。こんな下等動物ばかり住む世界に自由なんて要りません!』
『ふぉっふぉふぉ・・・ラ・フィーヌも面白い事を言うものじゃ。
死んでいるものに命なんぞは存在せんのじゃ。
自由にしといてあげようではないか。
ただしのぉ、レミーヌ。霊界にも法律があるのじゃ。
法律に背く(そむく)事をしたければ、それでよい。
でものう、たまにはわしらの通告も聞いておいたほうが良いかも知れないのぅ・・・恋愛に関しての法律はない。ほどよく自由じゃ。
でものう、法律に背く(そむく)事をすればどうなるか判ってはおるとは思うが、それに反しない程度にがんばれば、わしらはそれに対して、一切の文句は言わないのじゃ。
まぁ、くれぐれも霊界の法律に背か(そむか)ないでくれのぅ・・・頼んだぞ、
がんばってのぉレミーヌ。ふぉっふぉっふぉっふぉ・・・・』
ル・ジャル伯爵がそう言うと、笑い声と共に姿を消した。
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