第34頁目 ― 13 ― あれ? ―

   ― 13 ― あれ? ―


 そっかぁ、一号室の住人かぁ~。

 まぁ、特徴はこれと言って・・・たくさん有りすぎるよなあ。

 特に他人に対して言葉遣いが悪いかな?。

 言葉遣いって大切なんだよなあ。

 まあ、多分、人を見て話しているとは思うけど、

 丁寧語を知らないフレンドリーな人とは、あまり相性が良くないのは確かだ。

 まあ、あまり、これから触れないようにしておこう・・・


 あっ、確かこんな ことわざがあったのを思い出した。

 さわらぬ神にたたりなし。って、ことわざだ。

 意味としては、

 ものごとに関わらなければ、害を受けることはない。

 自分に関係のないことには、関わらない方が安全だという事だ。

 まあ、その通りだと思ったりもする。


 で?。なんて言っていいのだろう?。あのロン毛の称号は、

 えぇーーとぉぉ、、

 まあ、適当に『タメ口野郎』で充分かぁw

 

 そしてオレは、二階に足を再び向けて上がると、今度は下の階の十号室から管理人さんが出てきた。

 頭いっぱいの白髪にモジャモジャとした天パの髪型。

 これは凄い!

 口ひげの手入れのいいこといいこと、口ひげに『人』と言う字のように白いヒゲがモワモワとしている。

 太い眉毛もちゃんと整っているし、

 目が小さく、目が・(点)に見える。とても可愛い目をしている。

 髪・まゆげ・口ひげ。は、ロマンスグレーで、とても紳士的な風格だ。

 とても、いい年の取り方をしている感じがする。


 管理人室から出てきた、岩井戸 菊皿(いわいど き くさら)さん・・・だっけ?

 一見、『 野口 英世 』にも見える風貌、 

 野口 英世と、フライドチキンの店に立っている、なんちゃらサンダースを足したような体形。気品さがオーラとなって攻めてきているようにも見える。


 まあ とりあえず、称号ではなく愛称として、

『 フライド野口さん 』

 とでも仮りに付けておこう。


「あっ。藤沢さん、いいところでお会いできましたね」

 フライド野口さんが、笑顔でオレに寄ってきた・・・

 思わずお辞儀に笑顔で対応する。

「わたし、藤沢さんに言っていなかったのですが、今宵 黄金岬から見える日本海を見ながらの、年に一度の宴会の日なんですよ。

 今日は、藤沢さんの、入居を祝っても含めまして、このマンションの住人が全員集まりますので、ぜひ参加してください。

 午後八時からですので、来てください。ぜひお待ちしております。」

 思わずフライド野口さんに誘われてしまった。

 一日の予定も未定進行形のオレにとっては、断る理由もないし、いい暇つぶしになるのかも知れない・・・

「あっ、はい。ぜひ。オレも行っていいんですか?。

 おてやわらかにお願いします。」

 と、思わずお辞儀をしながら言ってしまった。


 フライド野口さんと話している時、どこからともなく

 ボババババ・・・

 と爆音を立てながら、大音量で音楽を響かせ、ボロアパートに向かってくる一台のスクーターが遠くに見えた。

 ん?。あれ?。

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