第41話 アポ島には海賊が出現する?
現場は変われど、マニラ支店ダイビングクラブは機能する。
というわけで、私、Sさん、Oさんは、休みを利用してまたセブ最南端のリゾートに来るのでした。
(正直、どの現場のときに、誰とどこに行ったか、もうわかりようがないので、適当です)
今回はすこし遠出をして、アポ島にまで足を伸ばします。
アポは前回紹介したスミロンよりさらに北上したところにある小島。
ダイビングポイントとしてはスミロンより有名かつ人気のある島で、他の滞在地からもダイバーがやってきます。
まず午前中の一本。
ここのウリのひとつはクマノミ城。ファインディング・ニモで有名なクマノミが一カ所にごっちゃり固まっています。
私はワイドレンズをつけた一眼レフの入ったハウジングをぐぐっとクマノミ城に近づけて激写。
さらにここは浅瀬にギンガメアジがやってきます。
まあ、でかめのアジっていえばアジですが、全身が銀色に輝いてます。そしてこいつはだいたい群れでいる。
ここのやつは大群でごっちゃりはいませんが、動き回る。コースさえ間違えなければ、こっちの向かって泳いできます。
ぐわ~っと放射状に広がるギンガメの迫力ショットは、水中カメラマンうれし泣き。
おお、すげーすげーっ!
南野、ちょっと興奮状態。
もっとも興奮したのは、他のメンツも同様らしく、ボートに上がった後も、「あれはすごかった」とうれしい悲鳴。
ボートは休憩のため、入り江に入りました。
アンカリングして、そこでのんびりしていると、なにやら他のボートがこちらに近づいてきます。
近づいてくるどころか、ボートはこっちのすぐ脇に止めると、中の人が乗り込んできました。
わあああ、海賊だぁあ!
乗り込んできた海賊、もとい太ったおばちゃんたちは持ってきた荷物を広げだした。
Tシャツ。そう、海賊……いえ、おばちゃんたちはTシャツ売りだったのです。
「さあ、買ってよ。安いよ」
「この柄いいでしょう? 買って!」
だめだ。こいつらなんとかしないと。
と思っても、ぜったいに引かないおばちゃんたち。
やっぱり、海賊だよ、こいつら。
まあ、仕方なく私も買いましたよ。
胸にばばーんと、クマノミが描かれたTシャツをね。
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