第17話 お茶目なメイドさん事件

 リゾートダイビングの話ばかりしていてもしょうがないので、日常のことがらについていってみましょう。

 あれはまだ赴任してからそれほどたっていないときだったと思います。

 私は昼間、現場から車で寮に戻りました。なぜ、仕事のさなか、真っ昼間に寮に戻ったのかは、謎です。っていうか、思い出そうとしても脳みそがぴくりとも反応しません。まったく覚えていませんが、なにか用事があったに決まってます。


 しか~し、重要なことはどうして帰ったかなどではない。

 そこでなにが起きたかだっ!


 なにげなく玄関から中に入ると、子供メイドはいました。おばちゃんメイドの姿が見えません。

 べつに不思議でもなんでもありません。私はたいして気にもとめていませんでした。

 なにげなくもうひとりのメイドが、どっかいったか聞きました。

 子供メイド、ちょっと困った顔。


 あれ、なに? なんかおかしな展開なわけ?


 と、私が困惑していると、話題のメイドさん、ぱたぱたと走ってやってきた。


「Sir(サー)」

 なぜか体が濡れている。っていうか……。


 水着姿だ!


 サー、じゃねえっ!(笑)


 ちょっとはにかんだ顔で体を拭くメイドさん。

 ま、早い話が、プールで泳いでいたわけですよ。

 それを見て、受けるドライバー。


 いや、べつにいいんだよ。仕事さえちゃんとやっていたら、息抜きに泳ごうとなにしようと。私はべつに怒りもしなければ、会社にちくりもしなかった。


「ええっと、それでなにかご用ですか?」

 笑ってごまかすメイドさん。


 我が家は平和だ。

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