第13話 お荷物軍団がやってきた!

 日本から職員が何人もやってくるらしい。

 そういう噂を聞きつけました。私が来てまだ1、2週間の頃です。

 どうやら、支店長は現場の数を増やす気満々らしいです。

 今、私たちのいる現場にとりあえずつっこんで、こっちのやり方を学ばせるというつもりのようです。

 それを聞いたM籐さん曰く、


「この現場に、日本人何人も突っ込んだって無意味だろう。そんな金があるならローカルスタッフ増やせ」

 

 M籐さん、あなたがそれいっちゃおしまいです。

(まあ、この人、基本的に支店長と仲悪いですけど)


 じっさい、この現場ではすでに私というお荷物がいて、はっきりいって今でさえ、私のやることがないのに、新たに増えたとして、彼らはなにをやるというのか?

 まあ、研修と割り切るしかないね。


 いざ、彼らはやってきました。それも若い衆ばっか。

 一番若いのはまだ2年目。


 おいおい、いくらなんでもかわいそうだろう。ある程度日本で仕事覚えさせてから呼べよ。


 なにせ、こっちじゃ、細かいことはぜ~んぶ、ローカルスタッフがやってくれますから。マネージャーの仕事は覚えても、細かい実務がなにもできなくなるぞ。


 会社はなにを考えてるんだろう?(たぶんなにも考えてない)


 なんにしろ大所帯になった我々は、寮もなんとかビレッジ内に隣接する家を借り、第二寮を設置。さらに新たなドライバーを雇い、ワゴン車も購入。


 ひゃっほおお。なんにもできないお荷物軍団参上!

 ワゴン車に乗って、集団でGO、GO!


 かくして集まった未来のプロジェクト・マネージャーたち。

 しかし彼らの半分は、プロジェクトマネージャになることもなく、数ヶ月で日本に帰ることになるのでした。

 帰国組と残留組の差がなんだったのかは、わからない。

 たぶん、能力や適正とは関係ないことだったのでしょう。


 結果的に残ったのは、私とY君、2年目のK野(こいつが一番なじんでたかもしれない)。 そのへんのところは、また別の機会に……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る