第12話 メイドもドライバーもいないだってぇ!

 日曜日、メイドさんは休みです。飯を作ってくれません。

 でもドライバーはけっこう日曜日でも出てきてくれます。足があれば、メイドさんがいなくても飯を食いに行けばいい。

 だがある日曜日、M籐さんとN君はなんと……、


 ドライバーを引き連れ、ゴルフに行きやがった!


 いや、べつにいいんですよ。ゴルフに連れて行かれなかったと文句を言ってるわけじゃありません。

 私はそんなものにこれっぽっちも興味はない。

 というか、たぶん、誘われたけど断ったんでしょう。よく覚えてないけど。


 だけども問題は今日の飯。車がない。


 となるともはや歩くしかないでしょう。

 きょうのミッション。歩いてひとりで飯を食いに行く。


 なんて難易度の高いミッションなんだよっ!


 アホかおまえは、とつっこまないでください。海外赴任、2,3週間の人間なんてこんなもんです。


 たしかあっちの方にマーケットぽいものがあったな、という曖昧な記憶をもとに、家を出て歩きます。

 歩くこと20分ほど(意外と近かった)。あるではないですか、小さなショッピングセンターもどきが。


 とりあえず、そこのファーストフード(覚えてないけどたぶんハンバーガーかなにか)に入り、昼食にありつけましたが、夕食までここでひたすら時間をつぶさないといけないのか?

 などと考えていると、なんと映画館があるじゃないですか?


「安っ!」


 値段は日本円にして、たしか100円かそこら。これは見るしかない。

 なにを見たか、覚えてませんが、もちろん字幕なんてものはない。

 ハリウッド映画だったので英語です。

 もちろん、なに言ってるかわかりゃしません。

 だってあいつら、手加減なしの英語で一方的にしゃべくりまくるからな。


 わからねえなら、推理しろ!


 話の流から、あいつはきっとこうだとか、なんでああなったとか、推理しながら見るんです。


 たぶん、だいたい合ってる。こまけえことは気にするなっ!


 こうして私は物語を作る能力が飛躍的にアップしましたっ!(すみません、適当こいてます)

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