第5話 どどーん。メイドさん登場! なにいっ!

 ドライバー君、私の荷物を持って中に入ってくれます。

 まず広々としたリビングがあり、その脇に個室が並んでいました。

 さらにリビングの奥、外に見えるのは、なんと……。


 プ、プールではないか?


 まるでアメリカ映画の金持ちの家ではありませんか。

 私、プールがある建物など、市民プールと総合体育施設、学校、ホテル以外に足を踏み入れたことがありません。


 な、なんかすげえところへきちまっただよ。


 ちょっと田舎者になった気分。名古屋に行くまでは東京に住んでいたというのに。

 自分の部屋と案内されたところも、特別豪華な仕様ではありませんが、それなりに広い個室。机、ベッド付き。


 だが、そんなことよりも、さらに私を驚愕させたことがある。

 M籐さんにメイドさんを紹介されました。

 ええ、聞いていましたとも、メイドさんがいることは。

 まあ、日本の独身寮でいえば寮母さんに匹敵するもんだと思ってました。

 ふたりいるメイドさんのひとりは、まあたしかにそんなもんでした。

 たぶん三十代後半くらいの女性です。メイドさんといっても、さすがにエプロンドレスはきてません。Tシャツに短パンという南国スタイル。

 驚いたのは、もうひとりのほうです。


 子供だ。子供メイドがいる!


 ネタじゃないんだ。妄想でもない。ほんとうなんだ。信じてくれよぉ!


 といっても、まさか小学生の幼女がいたわけじゃありません。でもどう見ても、15~6歳にしか見えん。

 かといって、どうやら女子高生のバイトではないらしい(メイドさんは住み込みです)。


 さすが、魔境フィリピンだな。と勝手に納得する私(失敬だな)。


 まあ、家が貧乏なんで、中卒で住み込みメイドやってるんだなと勝手に思っていましたが、きょう、ちょっとネットで調べたところ、フィリピンは中学がなく、小学校を卒業すると6年制の高校に行くらしい。そこまでが義務教育(日本よりなげえじゃねえか?)。


 つまり、すくなくとも彼女は18歳以上だ。


 見えねえっ!


 ちなみにおばちゃんメイドは料理メイド、子供メイドは洗濯メイドだそうな。


 さあ、君もフィリピンに行こう。子供メイドがパンツを洗ってくれるぞ!

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