第35話 真夏は・・・?渚も?


 「うぅぅ・・・・・・!どうしよ、彼方くぅん・・・!」

 「大丈夫ですよ。先輩ならいけますって」

《マリオVSクッパ》の作業開始から数日がたった。

放課後の部室でイラストを描きながら、東先輩の愚痴を聞く俺。



 文化祭2週間前くらいから、放課後5時までクラス優先。

5時以降は部活動優先となっている。


 先輩の話を聞く限りでは、先輩はなんと、劇のヒロイン役に選ばれたらしい。

俺の中で、見なければならない劇へと昇華したというわけだ。


 「でも、上手く出来るか、自信ないよぉ・・・」

「東先輩、可愛いですからきっと上手くいきますよ!」

アロラもフォローを入れる。

「自信をつけるには、練習あるのみです!」

「そ、そうだよね。決まったからにはちゃんとしないと、いけないもんね!」

「はい、先輩のこと、見てますから!」

「うぇっ!?え、ええと、それは何というか・・・・・・。う、嬉しいけど、でも、あんまり、見て欲しくないような・・・・・・」


 いやぁ、楽しみだなぁ。

一日目、先輩の劇を見て、その後は・・・・・・・・・!

ご褒美タァ~~~イムっ!!

テンション、上がってきたぁぁあああ!!


 うちは、2日間だっけか。文化祭。

2日目の予定はまだ決まってないけど、まぁいいよな。

1日目が大事!

先輩のご褒美ちょー大事!


テンション上がって、今にも踊り出してしまいそう!



「 Ah~  真夏はromantic!   渚もromantic!  陽差しもromantic!  


高波を駆け上がって  わたしはromantic!  あなたもromantic! 」


「って止めいっ!!」

アニソン歌い始めたアロラに制裁。

思わず、踊りそうになったわ。


 そう言えば、もう夏だよなぁ 。

瀬戸の海水が燦々さんさんと照りつける太陽を反射して・・・・・・。

もう一度言います。

と照りつける太陽を反射してね。

 海も行きてぇなぁ・・・・・・!

ウチの学校プールないんだよねぇ。



 そして、ノルマ10枚を描き上げ部室を後にし、東先輩に、挨拶をして帰宅道へと足を向けた。




 文化祭も、すぐそばに迫っている。

日数にして、後4日。

《マリオVSクッパ》の作業も大詰めだ。


文化祭、エンジョイするぞぉ!!

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