第26話 水族館なるところ
ーーー着いた。
ここだな、水族館ってぇのは。
まさか、こんな近くに出来てたなんて。
高校よりは、まぁ遠いものの、自転車約30分で着いた。
前までは、中小企業が構えていた場所だが、会社は場所を移しドデカい空き地と化していた。
それが、よくもまぁこんな大仰な。
水族館名がでっかく書かれた門をくぐり、中に入る。
チケットを職員さんに見せると、スッと通してくれた。
「どうする?固まって動くか、バラけるか」
「私はどちらでもいいですが・・・・・・」
「ん、と、やっぱり皆で動こうよ。一度迷子になっちゃったら、会うのは大変だろうし・・・・・・」
確かにな。
高校生にもなって迷子になりました、なんてのは恥ずかしすぎる。
俺とアロラも天童の意見に同意した。
入り口付近には、種類豊富なクラゲの水槽がいくつも置かれていた。
こうして、水族館に来るのも久しぶりで、少しテンションが上がってしまっている。
アロラはアロラで、今まで入ったこともない水族館の雰囲気に興奮しっぱなし、と言ったところだ。
「ふわぁ、綺麗ですねぇ~。サメっていうんですよね!魚人キャラには欠かせないジャンル!」
確かに、魚人キャラってーとサメが多いけども。
サメがキレイってのは素晴らしい感性だな。
格好いいっていうならまだしも。
「これが、ウミヘビですかぁあ。長いですね!ヒョロヒョロですね!白いのとか、某物語シリーズに出てきそうですよね!」
某、つけなくても、オタクの中じゃ物語シリーズっていうとあれしかねぇよ。
ていうか、あれは普通の陸に生息する蛇だろう?
「ウニって本当にトゲトゲしてるんですねぇ!強化系のムキムキ能力者が戦った相手みたいです!!」
すげぇマニアックなとこいった!!強化系っていうと、普通なら主人公しか出てこないけど、そういやいたな!そういうやつ!!
と、いうか、こいつマジでテンション高ぇな・・・・・・・・・。
心の中で突っ込んでばっかの水族館はかなり楽しく時計の針ははや、12時を指した。
「そろそろどこかで、お昼にしましょう。二人とも」
「ん、そうだな」
気づけば、腹がメッチャ空いてる。
俺達は、水族館内のレストランに入ることにした。
「ええと、帆立のカルボナーラと、イカ焼きそば。あと、お好み焼きと、ミックスジュースを」
「「・・・・・・・・・は?」」
店員と俺の声がかぶる。
「て、天童さん?お、お前。ソレ全部食べる気か?」
「え?そうですけど?」
・・・・・・・・・お、おお。
こいつ、やべぇ・・・。
天童は注文通り、運ばれてきたそれら全てを食べ尽くした。
「んー、まだ少し食べ足りないなぁ」
「・・・・・・お前、化け物か」
「ハッ!!物語シリーズ!!?」
お前はそこに反応すんなっ!!
まぁこれで俺は結構水族館をエンジョイしてたりする。
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