第2話 目覚め:ありすside
目が覚めると、見知らぬ景色が目の前に広がる。と言っても、どうやらベットの上にいるみたい。このベット…天蓋付きで豪華。体を起こすと、そこはとても煌びやかな部屋だった。可愛らしいぬいぐるみや綺麗な花瓶に美しい花、ふわふわでいかにも高そうな家具たち。なんというか、お姫様のようなその部屋で私はドレッサーを見つける。こんな見た事のない場所に突然いるなんておかしい……。まずは自分の確認をしないと。そう思って鏡の前に立つと、見知らぬ女の子が立っていた。鏡に映るその少女は私の動きと全く同じ動きをする。このことが指す意味はつまり、この鏡に映っている子が私だということ。こんなお人形さんみたいな可愛い子が私……?ありえない……。
それにしても、高そうな服……髪の毛サラサラ…良い匂いするし。それに、本当に綺麗な顔。the人形って感じ。綺麗な金色の髪、澄んだ空みたいな色の瞳、色白の肌、淡いピンク色の唇。美人の要素がそろってるって感じ…。鏡に映る顔をまじまじと眺めていると扉からノック音が。
とりあえず
「どうぞ」
そう言ってみる。初めて声出したけど、声まで可愛い…。何この子。
ドアが開いて入ってきたのはいかにも執事って感じの男の人とメイドって感じの女の人が入ってきた。
「アリス様、おはようございます」
えっと…様付けだし、この子金持ちの女のでは。
何て返事すればいいのか全くわからない。
返答を考えていると
「アリス様……どうかなさいました?もしかしてお体の調子が悪いとか……」
このままだと体調不良にされる。
何か言わないと。
「いえ…そういうわけではありません。少し考え事を」
「何かありましたら、いつでも私に相談してくださいね!」
メイドって感じの人がそう言う。
「アリス様、朝食の用意ができていますのでご準備を」
「そうですね!さあアリス様、着替えましょう」
メイドさんがそう言うと、執事っぽい人は部屋から出て行った。
「アリス様、本日のドレスはいかがいたしましょう」
メイドさんはそう言って扉を開ける。
開かれた扉の向こうには、煌びやかなドレスが並んでいた。
こんなに沢山……。選べるわけない。
「えーっと…あなたが決めて」
「……!私でよろしいのですか?」
「ええ。あなたにお願いするわ」
「分かりました!任せてください!」
メイドさんは張り切った様子でドレスを選ぶ。
その後、メイドさんが選んだドレスを着て朝ご飯を食べた。
まだ、うまく状況が掴めてないけど、たぶんこの子は位の高い子。それにしても……同じ"アリス"、なのに私とは大違い。
私に無いもの、全部持ってる。
幸せな朝の食卓……そこにいる人達みんな笑顔で、私の知らない
なんか……嫌になってきた。部屋に戻ってふかふかのベットの上でボーっと考える。
すると眠気が襲ってきた。
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