皇国まるごとエトランゼ。

天宮詩音(虚ろな星屑)

第1話 統治者総会、裁きの日。

 普段、立つことのない場所に立つと、なんとなくここが別の場所なのではないかという錯覚を起こす。

いつもなら端っこで、誰に見られることもなく寝ているのだが、今はそうもいっていられない。


 「トランゼイドス皇家、トランゼイドス・ア・レイン皇子、統治者総会での沙汰を言い渡します」

「……はい」

ああ、なんでこんなことに。

「あなたは、これより新天地、仮称『カリューク』の調査。

そして、転移に伴う諸問題の解決を任せられました」

あれ、随分と軽いな。

「これまでの功績を鑑みての陛下の恩情に感謝しなさい」

皇位継承権の剥奪くらいは覚悟していたのだが。

「謹んでお受けいたします。お父様の恩情に無上の感謝を」

「ああ、そうでした。陛下からの伝言です『……次はない』だそうです」

「……心に刻んでおきます」

上げて落とすのは卑怯じゃないでしょうか。


「これにて、第9999回臨時統治者総会を閉会します、なお、この閉会に伴い司会者の解任を宣言……」

そして時は、7日前に遡る。

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