ラスト・エピソード

「なんだ?」


さすがに胃袋が限界を突破している俺はへたり込みたいのを我慢しつつたずねた。


「お弁当とかのお持ち帰りも込みでいいのかなあ?」


ああ、これまでの光景を見ていた店員や客たちの憐憫の視線が突き刺さる。


俺のライフも財布もゼロに等しい。


「ひとつだけにしておいてくれ」


「うん、わかった!」


散歩に向かう子犬のような元気さでお弁当コーナーへ向かうカンナを見送り、俺はキャッシュデシュペンサーに再度キャッシュカードを差し込んだ。


男ってのは、毎日がやせ我慢って誰かがいってたっけな。



続く。

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CASE:アンロック・オブ・ハート ぐうたらのケンジ @lazykenz

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