第22話 作戦開始



 作戦部隊と足並みそろえて、最後の作戦会議を経た後、佐座目達は小一時間かけて目的の場所へ向かった。


 人数は四十人程。

 支援要員や、戦闘も(ある程度)こなせる整備士達を除けば純粋に戦えるのは四十名くらいしかいない。


 建物一つの攻略、作戦内容を考えれば、厳しい闘いとならざるを得ないだろう。


 ナイトメアとの戦闘になるのを避けるために通った地下鉄を歩き、地上を進んでしばらく、その建物を目の前にする。


 そこで、五十嵐が前に立ち、最後の演説が入った。


「これより、リンカ・コア攻略作戦を開始する。気を引き締めていけ、この作戦に人々の未来がかかっているのだ。我々は手にするのは勝利だ、それをゆめゆめ忘れるな!」

「「「「了解!」」」」


 そして、

 ほどなくして、作戦は始まった。





 事前に説明したとおり

 抗体組織支部、建物は二つに分かれている。

 一号棟と、二号棟。

 しかし、一号棟からは入れないので、佐座目たちは二号棟から侵入しなければならない。

 防衛装置で動かされているガーディアンやナイトメアを撃退し避けつつ、二号棟の中を進み、連絡通路を利用して目的の一号棟へ至る。


 時間は三十分。

 それを過ぎれば、取りに行った切り札とともに爆発してあの世生きだ。


 一号棟から侵入しないのは、進入路が潰れているから。


 前回侵入した際、防衛装置との戦闘の末、一階のフロアを丸ごとつぶしてしまったらしい。(五十嵐はディエスのせいだとか言っていたが)

 外から見たら、一体何をどうやったのか強大な岩石が顔をのぞかせていた。


 ゲートでもなんでも開いてどければいいと思ったが、それをやると建物の支えがなくなって建物の階層が一階分少なくなるらしいのでできないみたいだ。始まる前に切り札がなくなるような真似はしたくないだろう。


 建物には佐座目がお世話になった建物のような防壁が張られていて、外からのナイトメアの件は基本的に心配しなくてもいいらしい。(町に灯りがついていない現状、それもエージェントがいないのにどうやって維持しているのかは謎だが)


 ともかく。

 条件が厳しかろうが辛かろうが、やるしかないのだ。



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